終末のワルキューレ(2)
展開されし神と人類のタイマン。
これまでの4戦を少し。
1戦目
トール VS 呂布
最強と名高い神、北欧神話のトール。
対するは三国時代からの刺客。人類最強と呼ばれる武人、呂布奉先。
1戦目からまさに頂上決戦。
最強と最強のぶつかり合い。
両者は共にその最強さ故に、戦場の中であっても「退屈」していた。
生まれながらにして最強。
呂布は、自分と同等に戦える者などもはや存在しないものと思っていた。
それに絶望し、死を受け入れていた。
だが、死後のこの世界にて始まったラグナロク。
呂布は人類の先鋒として選ばれ、その相手は最強の神トールであった。
その強さは、今まで戦ってきたどんな戦士よりも強い。硬い。強い!!!!
トールもまた、退屈な日々に飽き飽きしていた中でのまさかの人間の強者との戦いに、笑みを浮かべた。
最強たちのぶつかり合いは、ただひたすらに殺意と狂気と、そして自分と闘うことのできる力を持った好敵手と打ち合えるという、悦びの渦を巻き起こす!!!
2戦目
ゼウス VS アダム
2戦目の人類側の闘士はアダム。
「1人目の人類」であるアダムは、かつて楽園から神々に追放されたという因縁を抱えており、その憎しみをはらすために神々の前に立ち塞がる。
アダムの出場を聞いた神々の代表とも言えるゼウスは、なんと本来2戦目に出る予定だったインド神シヴァに代わってもらい、出場。
今も昔も自分の欲望に忠実に振舞うクソジジイ。
だが、ゼウスといえば神も人類も問わず、誰もが認める全宇宙の父。
急遽の出陣に肝を冷やすブリュンヒルデや人類たち…
そんな心配をよそに、アダムの拳はゼウスに届く。
その拳は、まるでゼウス自身が放ったかのような高速のジャブ。
アダムは神の模倣として創造された。
アダム自身、その才があった。
「神虚視(かみうつし)」。
神の技を模倣する能力。
ゼウスの拳を全てそのまま返すアダム。
あの最高神とも言えるゼウスに対して、
勝負は、まったくわからない。
そしてどうもアダムの「闘う理由」は憎しみとは違うところに…?
3戦目
ポセイドン VS 佐々木小次郎
ゼウスに続いて現れたのは、そのゼウスの兄ポセイドン。
まさかのラスボス級2連投に戸惑うブリュンヒルデに、自ら出陣を志願したのは岩流・佐々木小次郎。
ラグナロクに召喚される魂は、その闘士の最も強い全盛期の姿。
だが小次郎の姿は、宮本武蔵との決闘で亡くなった時の姿よりも明らかに年老いている。
だが、それは必然。
小次郎は徹して敗者だった。
強者と戦い、敗北し、新たな強者と戦い、敗北する。
それをただひたすらに続けてきた。
そして敗北した後に、超えるのだ。
その強者と戦いをイメージし、勝つために必要な技術や力を会得し、戦わずして超えていく。
それが「史上最強の敗者」佐々木小次郎。
死後もなおその岩流を進化させ続けてきた。
だからこそ、この年老いた姿こそが全盛期なのだ。
対してポセイドンに進化など必要ない。
ただ在るだけで神。
神として初めから備わる才だけで小次郎を圧倒的な力で追い詰めていく。
神の完全無欠さにこだわるポセイドン。
それを欠くという理由で兄アダマスをも手にかけた非常の暴君。
剣の教えを請うた先達。
自分の血肉となってくれたすべて。
ポセイドンの完全なる「ワンマン」に、小次郎は「思い」を武器に立ち向かう…!
4戦目
ヘラクレス VS ジャック・ザ・リッパー
4戦目の神々の闘士はヘラクレス。
元人間にしてゼウスから神格を与えられた武人。
神々からはヒーローなどと呼ばれる正義の味方。
かつて人間であった頃、神々の勝手な都合で滅ぼされそうになった自分の国を守るため、たった1人で神の軍勢に戦いを挑んだ。
その時に命がけで禁断のアムブロシアを飲み、その力を神にも匹敵するものへと昇華させた。
常に正義のために闘うのは「力があるから」ではない。
ただその信念に従い、自分の正義を通したいがために…!
その絶対的正義に対してブリュンヒルデがぶつけたのは、殺人鬼ジャック・ザ・リッパー。
19世紀末、産業革命を経て世界最大の都市となったロンドンにおいて、最低でも5人の か弱い女性を切り刻んだ、人類史上最悪とも言える殺人鬼。
まさに「悪」の権化。
ブリュンヒルデ自らも「クソ中のクソのゲボカス野郎」と言うほどの最「悪」。
人類サイドも動揺。簡単には応援する気も出ない。
が、その、人類だけが芽生させることのできる「悪意」こそが、絶対的「正義」を攻略し得るものと考えたブリュンヒルデ。
意図して作られた「悪 対 正義」の戦いが始まる!
神と人の戦いは続く…
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