麻雀Mリーグ 2020/2/11 1戦目 極限状態の選択
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東2局 0本場 親 魚谷
ドラがトイツのチャンス手。
場に1枚、1枚、2枚、1枚。は生牌です。
選択肢はいくつかありますね。
・面前限定のピンフにする打。
・ポンにも対応させた打。
・ポンにも対応させ、場のの枚数に不満があるなら打。
僕は切りそうと思いましたが、の場況が良さそうなので難しいですね…。
あれっ。
小林プロなら鳴きにも対応させると思いましたが意外にも打。
まあこうすれば100%マンガンリャンメンリーチが打てますからね。
で、
僕が言いたいのはこの選択が正しいとか正しくないとかではないんです。
すみませんけど語りますね。
この後すぐに魚谷プロがをツモ切ります。
この時実況解説席で、多井プロと松島桃さんが以下のような会話をします。
多井プロ「ああっ、残してたらポンテンだったよ!」
松島さん「でも小林プロ全然気にしてませんよ。」
多井プロ「Mリーグでこれを気にしないヤツ、ヤバいよww」
小林プロがを切らなければポンしてテンパイに取れてたけど、切っちゃったのでテンパイ取れなかったから普通はそれを「やっちゃった」と思うだろう。
ということですね。
はい。
僕はこの考え方めちゃくちゃ嫌いです。
まず第一に、
あの小林剛がを切った後にが他から切られる(もしくはツモってくる)ことを想定に入れていなかったことなどあり得るでしょうか?
当然それをリスクとして計算していたはずです。
でもそれを計算に入れた上で、小林プロはを切ったのです。
それならば。
あとでが切られたからといって「やっちゃった」などと思うことがあるでしょうか?
第二に、
「やっちゃった」などと考えている時間も余裕も選手たちにはあるのでしょうか。
そんな考えても無駄なことをいちいち頭の中に入れて、そのせいで本当に考えなければならない事へ注力できなかったらどうするのでしょう。
僕が小林プロであれば、が切られた段階で考えることをざっと挙げると、
「あ、の安全度が上がったな。」
「もう1枚引いてきてもまずいらないようになったな。」
「が今まで出てなかったのは、別に魚谷プロに絞られていたからというわけではなかったんだな。」
こんなところです。もっとあるでしょう。
「やっちゃった」などと考える暇なんかない。
ただ単純にという牌が1枚場に放たれたことについて分析できることを分析するしかやることなんてないのです。
なのに、
そうするのが当たり前のはずなのに、
プロでさえ、こんな1枚に過剰反応して「やっちゃった」と思う人が大勢いるのです。
ひどい時は顔を歪めて他者にいらない情報を与える人もいます。
まあそれが「人間らしさ」というものです。
それを否定したら僕自身人間やめてるなと思います。
ですがこれは勝負です。
その一瞬一瞬で最良の選択を取らなければならないのです。
ならばその「人間らしさ」を、消すことはできなくてもできるだけ抑えるための努力はすべきだと思うのです。
それがMリーグでもっともできているのがこの小林剛なのです。
なのに世間はこの「最良」を少数派であるとして奇異の目で見ます。
僕から言わせれば小林プロは「プロの理想」です。
この点で、僕はセガサミーフェニックスの茅森プロなんかがすごく好感が持てます。
「冷静であること」が強者の第1条件だなんて当たり前じゃないですか。
別に僕だってチーム雷電の萩原プロのように、見るだけで凄まじい闘気を発しながら麻雀を打つ姿は大好きです。それを否定するつもりはないし、今後もそんな萩原プロを見続けたいという気持ちはあります。
ですが「冷静」を「おかしい」と言っている時点で、今の麻雀界はちょっとまずいと思うのです。
これが言いたかった。
今回はこれで終わります。
次からはちゃんとまた観戦記やります。
ロボという名のプロの姿を刮目せよ!↓