ピーチボーイリバーサイド
むかしむかしのお話です。
川で洗濯していたおばあさん。
すると上流から
どんぶらこどんぶらこと、大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を家に持ち帰り、
おじいさんと一緒に桃を割ったところ、
中から男の子が生まれました。
桃太郎と呼ばれたその男の子はみるみる成長し、
ある日鬼ヶ島に鬼退治に行きました。
そして桃太郎は、
その類稀なる才能で、鬼たちをたくさん殺しました。
鬼ヶ島は壊滅しました。
なぜ、桃太郎はそこまでしたのでしょう。
その理由、は。
楽しかったから。
それは、「桃」の力を宿す者の本能。
かくして桃太郎と呼ばれた青年「キビツミコト」は、
世界中の鬼を殺すため、海を渡るのでした。
鬼を追い求めて海を渡った日本の桃太郎ミコトと、そこで出会った王族の息女サリーの物語。
剣も魔法も、魔物も亜人もなんでも出てくる王道ファンタジーです。
サリーとミコト。
ダブル主人公の作品ですが、どちらかと言えばサリーの方がより主人公っぽいです。
王の息女ということで世間知らずに育ったサリーは、鬼の軍勢を一瞬にして切り捨てるミコトを間近で見て、自分の知らない世界を痛感。
自分の知らない世界、鬼や魔物のこと。それらを知るために旅に出ます。
旅の中で、サリーはたくさんの人や、人以外と出会い、3人の仲間と共にある目的のために旅を続けます。
主人公サリーと、
左から、卯人フラウ、鬼キャロット、人間の剣士ホーソン。
サリーが好きなのはフラウだけみたいです。
嘘です。サリーはみんなが大好きです。
サリーは、旅を続け、たくさんの種族と出会い、闘う中で、
ある疑問を抱きます。
それは、どこにでもある、人々が生きる以上は絶対に生まれる問題。
差別です。
仲間が、敵が、いや、例えそうでなかったとしても、
なぜ誰かが誰かに嫌われなければならないのか。
なぜ種族の違いがこんな悲しい現実を生み出すのか。
サリーは決心します。
差別をなくすのは難しい。
それでも、
もう少し、妥協させることはできるのではないか。
そう呼びかける旅にしたい。
城の中で大事に育てられた女の子が、
世界の問題に真っ向から挑みかかる。
惚れてまうがな。
しかし、それは茨の道。
ただ差別に対する人々の意識を変えるのが難しいからだけではありません。
そう。
サリーもまた、
「桃」の力に選ばれし者だったのです…。
次回はもう少し、魅力あるキャラクターたちを掘り下げられたらと。
(続く)
natsumikan-toaru.hatenablog.com
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