夏ミカンの麻雀歴〜兄妹たちが生まれるまで①
ユウキ「揃ってるな。今日はこれを話せってメモを渡されてる」
マユナ「『夏ミカンの麻雀歴と、私たちが生まれるまで』…。はあ。破り捨てていいよね」
ユウキ「落ち着け!」
カズキ「実際誰得なんだ」
ユウキ「まあたまにはこんなおまけ回があってもいいだろってんで」
マユナ「……?今までのどこにおまけじゃない回があったの…?クオリティ的に」
ユウキ「やめろやめろ!もうその辺で!」
サツキ「まー良いよ。いつも通り喋ってれば良いんですよね。マユちゃんを愛でながら」
マユナ「愛でるな」
カズキ「はいはい。やるしかないからやるしかないな」
麻雀との出会い
ユウキ「夏ミカンと麻雀の出会いは、彼が大学生の時、アニメ『咲』の第1期が放映されていた時期だ」
カズキ「流行りに乗っただけかい。ありがちだなー」
ユウキ「当時つるんでいた友人が何人か集まって、やってみようってなったらしい。その時はほとんどが素人で、夏ミカン自身も卓を囲んでるだけで楽しい時間を過ごせていた。勝ち負けよりも、麻雀が出来るだけで楽しかった」
サツキ「誰でもそんな時ってありますよねぇ」
ユウキ「大学の授業が終わったら、大学近くの友人のアパートに集まって卓を囲み、夕飯は外で食べて帰ってまた囲む。まさに麻雀に毒された大学生といった日々を過ごしていた。ちなみにノーレート。純粋に麻雀することが楽しくて仕方なかった」
サツキ「うーん。気持ちは分かるだけに何も言えない」
マユナ「大学生に麻雀覚えさせたらそうなるのは仕方ないよね」
ユウキ「なんでお前が知ってるんだよ」
カズキ「そんな日々を過ごしていただけなら、そのまま変わらずずっとエンジョイ勢で終わればよかったのに」
ユウキ「それがそうはいかなかった。大学生活2年目に入り、とある飲食店でバイトを始める」
店長との出会い
サツキ「バイトかぁ。これで少しは麻雀する機会が減るかな?」
ユウキ「機会自体は時間的に減ったのは間違いない。しかし、そのバイトを始めたことが、夏ミカンを麻雀の深みに誘うことになる…」
マユナ「うえぇ…。なんかアレ、嫌な予感する」
カズキ「バイト先に麻雀狂の先輩がいたとか?」
ユウキ「確かに同級生で麻雀をやる奴がいたけど、そいつとは数ヶ月に1、2回囲むくらいの感じだった。まあバイト中によく麻雀の話はしたが」
サツキ「じゃあ、他に何か?」
ユウキ「店長がな、めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ強かった」
カズキ「そっちかぁ」
マユナ「店長…って男の人だよね?」
ユウキ「うん。ってゆーか当時まだ20代でな。趣味とかもバイトの子たちと結構あってたりしていろいろ話しやすい人だったんだよ」
カズキ「そんな人に目をつけられてしまったと…」
ユウキ「目をつけられたのはまあ、その通りなんだけどな。最初のうちは麻雀好きトークで当たり障りのないことを話してただけだったんだよ。夏ミカンもいつか店長と打ちたいですねーとか言ったりしてな」
サツキ「『最初のうちは』っていうのが嫌な予感させるんですけど」
カズキ「その後一体何が…」
牌効率との出会い
ユウキ「いや、実のところたいした話でもないんだ。ある日、店長から何着る問題を出されたんだよ。これな」
(牌効率としてはが正解)
サツキ「はあ」
マユナ「これが?」
カズキ「簡単な牌効率の問題っぽいけど」
ユウキ「これな、初心者ってを切りたがるんだよ。牌効率とか勉強したことない初心者って」
カズキ「…あー」
サツキ「麻雀始めたばっかりの時って、繋がってる形を崩すのに抵抗があるもんね」
マユナ「有名なこんな奴↓も、ほとんどの初心者がを切るって言うよね」
(牌効率としてはが正解)
ユウキ「この頃の夏ミカンもそんな感じだった。けど、さっきの手、夏ミカンはなんとなく切りって答えたんだ。偶然正解だったわけだけど、なぜそうなのかは半分も理解してなかったと思う。なんなら切りそうなくらいだったしな」
マユナ「ふーん」
ユウキ「で、その時横にさっき言った同級生もいて、そいつはを選んだんだよ。そしたら店長にバカにされててな。同級生は『え!?え!?』って言ってたそばで夏ミカンは(あぶねぇ〜)って思ってたらしい」
マユナ「陰湿」
カズキ「その時ちゃんと白状しろよ」
ユウキ「後日、大学の講義を受けながらその牌姿を眺めてたんだ。なんでが正解なんだろうって」
サツキ「いや、ちゃんと授業受けろよ」
ユウキ「それが牌効率との出会いだったわけだな。たった1種の受け入れを追い求めるのがどれほど大事かを、このたった一つの牌姿から学んだわけだ」
カズキ「ちゃんと講義から学べ」
ユウキ「その時からだ。夏ミカンの麻雀熱が友人達のそれと差が出始めたのは」
マユナ「うえぇ…。嫌な雰囲気がダダ漏れ…」
続く
natsumikan-toaru.hatenablog.com